ywagashiのブログ

徒然なるままに

11月に読んだ本

投資を始めたり、FPの受験申込をしたりした。経済や金融について勉強する良いモチベーションとなるだろう。

 

・日本の近代小説(中村光夫/著)

友人に買って貰った本。明治から大正期にかけての日本の近代文学についてまとめてある。産業の近代化とともに、文学が変容していく中で、代表的な作家たちがどのような立場に属していたかがよく分かる。著者の鋭く忌憚のない批評に加え、各作家の人物像や人間関係についての説明も豊富で、これ一冊で日本の近代文学史を立体的に把握することができる。大変ためになったので二周読んだ。

・1985年の無条件降伏(岡本勉/著)

キャッチーなタイトルに惹かれて購入。1985年のプラザ合意が、バブル発生を招き、それに続く「失われた20年」の原因を作ったのだという話。短絡的な見方かもしれないが、プラザ合意が歴史上重大なターニング・ポイントになったことに議論の余地はない。為替が社会にもたらす影響など、プラザ合意の反省から得られる教訓は多くある。著者はジャーナリストなので、取材で得た情報などが中心で、理論的な分析は不十分に思われた。参考程度まで。

株式投資の未来(ジェレミー・シーゲル/著、瑞穂のりこ/訳)

投資を始めたので、定評ある本から読んでいこうと思う。本書はペンシルバニア大学の著名な経済学者シーゲルの著書。インデックス投資に勝るとも劣らない個別株投資のメソッドを提唱している。要は「成長の罠」に嵌ることなく、バリュエーションを重視し、永続する企業を選ぶということ。膨大なデータに立脚して論を展開しているので、根拠が明快で納得感がある。もっとも、過去のデータが未来にそのまま当て嵌まるとは限らず、プラス成長を前提したバリュー投資が今後も優れたリターンをもたらすかは微妙だ(微妙じゃない?)。何というか、先進国経済の未来に暗雲立ち込める中で楽観的な展望を描いているところが、超大国アメリカの経済学者らしい。

・京都(林屋辰三郎/著)

京都の歴史を詳解した本。歴史上の出来事を追いながら、その舞台となった地域の地誌や文化とリンクさせて解説する方式が面白い。惜しみない苦労の上に書かれたことは伝わってくるのだが、途中から未知の単語が頻繁に出現して付いていけなくなってしまった。僕は京都に住んでいても、その歴史のことなぞちっとも分かっちゃいないんだなぁ。今までは観光地を訪れても、漠然と雰囲気を味わうだけであったが、少し態度を改めなくてはならないとつくづく思う。

 

幾人かこのブログをご覧くださっている方がいるらしい。
純粋にとても嬉しく思っています。ありがとう。
文章の拙さに我ながら嫌気が差していますが、頑張って継続していく所存です。
暇を持て余した時にでも、どうかご笑覧ください。

日本の近代小説 (岩波新書)

日本の近代小説 (岩波新書)