ywagashiのブログ

徒然なるままに

2021/2月に読んだ本

もう春休みも折り返し。このままだと得たものが簿記の資格だけになりそう。

 

・科学哲学(サミール・オカーシャ/著、廣瀬覚/訳)

科学哲学の主要な論点がコンパクトに整理されている。訳も非常にこなれておりサクサク読める。科学の方法論と認識論とが絡む部分が個人的には興味深い。科学的行為が人間の思考構造に依存する以上、その合理性には疑義を差し挟む余地がある。科学と非科学の線引きの問題を想起すれば気づくように、科学の概念自体も案外曖昧なものである。科学哲学は、科学に内在する諸問題を提起すると同時に、それを通して盲目的な科学信奉へ警鐘を鳴らす。科学にも哲学にも携わらない人間にも、案外関わりが深い。

会計学入門(高橋洋一/著)

財政界の重鎮である高橋洋一氏が会計分析のいろはを伝授してくださる大変ありがたい一冊。残念ながら内容はそれほど充実していない。その割に著者の政治的思想が随所に滲み出ているのはタチが悪いのではないか。何でこんな本買っちまったんだろう。

倫理学入門(品川哲彦/著)

倫理の基礎理論から具体事例まで手広く纏めた入門書。初めに代表的な倫理規範を5つ紹介し、続けて様々な社会問題について倫理的視座から考察を加えている。多様な倫理規範の区別を明確化することで見通しよく議論を勧められている上、豊富な具体例を取り上げて読者の興味を深める工夫がなされている。価値相対主義が蔓延する現代、何事においても社会的なコンセンサスを達成することが難しくなってきているが、その状況でも見失われるべきでない価値観を探究する学問の一翼が倫理学であると信ずる。この本一冊でも目を開かれる事が多々あった。類書に当たってみようと思う。

 

大学入学から早や二年が経とうとしている。
良くも悪くも自分は何も変わっちゃいないと思う。

科学哲学 (〈1冊でわかる〉シリーズ)

科学哲学 (〈1冊でわかる〉シリーズ)